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さよなら犬たち、また来て猋風
¥1,300
あなたと一緒にいるときの自分が好き。 結婚して子どものいるゲイ男性が、同じく既婚のバイセクシュアル男性と試行錯誤しながら恋人づきあいしていく。 子連れデートしたり貸別荘で在宅勤務してみたり、ときどき犬に変身もして……。 明るいクィア小説です。 装画:兼町ワニ太 クリアポストカード付き 新書サイズ/224ページ ------------------------- 左・ともさん(倫友) 41歳 子ども2人 右・優人さん 39歳 子どもなし 不倫といえば不倫なんだけどかなり明るい関係で、家庭生活との両立を模索していく……みたいなお話です。 そのあたりラディカルというかちょっと攻めていて、ある意味では過激なセックスを書くよりも尖った話かもしれない。 格好つかない生活の細部から、クィアのアイデンティティと家庭生活、会社員生活の折り合いの話がしたいなと思いました。 楽しんで読んでもらえたらうれしいです。 『顔たち、犬たち』https://okwdznr.base.shop/items/80294904 の続きのような話ですが、語り手がちがうのであんまり気にせずどこから読んでいただいても大丈夫だと思います。 でもお読みいただいた方には、あのときの優人さんがこんなに楽しそうに…という感じかも。 [関連作(書いた順)] イサド住み https://okwdznr.base.shop/items/69303797 よわよわおちんぽとじこめナイト https://okwdznr.base.shop/items/86756654 顔たち、犬たち https://okwdznr.base.shop/items/80294904
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庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五
¥1,500
昭和の短編小説を通じて、男性性・父性を捉え直す。 庄野潤三「五人の男」から想起したものを自由に表現した文芸アンソロジーです。 クィアやプロテストへの言及が多く含まれる一冊になったのは、2024年のいま問い直されているのがそういうことなのだろうと思います。 男性性を利用してきたのは誰か。それに傷つけられてきたのは誰か。 わたしたちみんなではないのか。 気鋭の作家たちによる小説、論考、日記、俳句など。 原著を読んでいない方も楽しめる本だと思います。 [目次] 板垣真任「大合唱」 我那覇剛柔丸「波の五分(ごぶ)」 晋太郎「ペンタクル・サークル」 深澤元(つまずく本屋 ホォル) 「読書メモ「五人の男」はなぜこの順番で並んでいるのか 」 宮月中「五人と鳥」 星野いのり「月の壜」 添嶋譲/宮崎竣輔「Profiles」 まさと「別れ—からかいは誰のもの—」 兼町ワニ太「動物園日誌」 隙間「うつわ日記」 暴力と破滅の運び手「悪魔の抱擁」 オカワダアキナ「ホーン・ホーン・ホーン」 瀬戸千歳「まんまるくてかわいいおばけ」 [本文より(前書き)] 庄野潤三「五人の男」は、五人の男性について語ったスケッチ的な短編です。 隣の下宿の男、バスで見かけた男、父の友人、父の親しい友人、雑誌の記事で読んだ男。五人の男性につながりはなく、エピソードは並列に並べられ、あまり脈絡もなさそうに読める小説です。 なぜ並列に語ろうとしたのか。そのようにして語りたいこととは何か。 素朴で平易な語りの中に、終戦を経た男たちの父性、男性性を見つけることができるように思います。生存のとまどいであったり、語ることの照れやためらいであったり。 本アンソロジーは、「五人の男」から想起したものをそれぞれ自由に書きました。父性や男性性を問い直す作品集です。一緒に考えましょう。 庄野潤三『プールサイド小景・静物』(「五人の男」収録) https://www.shinchosha.co.jp/book/113901/
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パレスチナドネーションZINEセット
¥2,000
SOLD OUT
・パレスチナのことを話し続けるZINE https://okwdznr.base.shop/items/92179683 ・まちうた9月号 https://okwdznr.base.shop/items/92180415 ・パレスチナ連帯ステッカー3枚 https://okwdznr.base.shop/items/92181133 のセットです。 売り上げを寄付にするZINEを2冊ご購入いただくとステッカーがついてくるセットです。 (バラバラにお買い上げいただくこともできます) 本の売り上げは、 ・パレスチナのことを話し続けるZINE ・まちうた 9月号 ・パレスチナドネーションZINEセット →売り上げ全額 ・庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五 ・さよなら犬たち、また来て猋風 などなどオカワダの個人誌、オカワダ主催のアンソロジー →売り上げから印刷代を除いた金額 を寄付しています。 寄付先はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)やGofundmeを通じた個人寄付に充てる予定です。
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パレスチナドネーションステッカー(3枚入り)
¥500
パレスチナ連帯を示すステッカーの3枚セットです。 売り上げは全額パレスチナに寄付します。 ドネーションZINEセットに含まれているステッカーです。 単独で買いたい方向け、寄付の上乗せ用として作ったものです。 本の売り上げは、 ・パレスチナのことを話し続けるZINE ・まちうた 9月号 →売り上げ全額 ・庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五 ・さよなら犬たち、また来て猋風 などなど、オカワダの個人誌、オカワダ主催のアンソロジー →売り上げから印刷代を除いた金額 を寄付しています。 寄付先はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)やGofundmeを通じた個人寄付に充てる予定です。 なお黒と赤の小さいステッカーは、本を買ってくださった方にどちらか一枚おつけしています(なくなり次第終了)。
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まちうた 9月号
¥1,000
三重県津市久居で、文化を通じて違いのある人たちが共に過ごすことができるための「共有地」づくりに取り組むHIBIUTA AND COMPANYさん。 https://www.hibiuta.org/hibiuta-and-company/ HIBIUTA AND COMPANYさんの文芸誌「まちうた」におじゃましました。リソグラフで作った手作りの雑誌です。 わたしはガーゼという短編小説を書きました。ガーゼの語源はガザ。女子校で財布のお金が盗まれ…というお話ですが、頭にあったのはパレスチナのことです。 売り上げはパレスチナに寄付します。 ------- 〈HIBIUTA AND COMPANYさんサイトより〉 まちのひとと本をつくる文芸誌「まちうた」2024年9月号(3)。 A5/74ページ ゲスト原稿 あずみ「たそがれハイド・アンド・シーク」 オカワダアキナ「ガーゼ」 孤伏澤つたゐ「沖へ出てゆく」 中村智宏「そのお宝は、君のもの。」 ほか、永崎瑞帆、月ホシヲ、西世古智之、埜中なの、はらちゃん、日の出ひふみ、水野珠季 ---------- 本の売り上げは、 ・パレスチナのことを話し続けるZINE ・まちうた 9月号 ・パレスチナドネーションZINEセット →売り上げ全額 ・庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五 ・さよなら犬たち、また来て猋風 などなどオカワダの個人誌、オカワダ主催のアンソロジー →売り上げから印刷代を除いた金額 を寄付しています。 寄付先はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)やGofundmeを通じた個人寄付に充てる予定です。
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パレスチナのことを話し続けるZINE
¥1,000
SOLD OUT
エッセイ、小説、イラスト、短歌など寄稿者35名によるパレスチナに連帯するzine。音声読み上げ用のテキストデータ有り。売り上げ(制作費を除く)をパレスチナに寄付します。 【製作者・寄稿者一覧(敬称略・順不同)】 新島みお/ayano/眞鍋せいら/壺/Blake ゆうアメ/あや/春日そら/畑/野沢文哉/mgm/栗見エミ/MKRDTSB/高瀬佑作/是恒香琳/天鼓/ななみ/fuca fuca who(フカフカフー)/久世哲郎/Laila/中根美枝/やすだまゆ/Taka/白川タクト/そらまめ/ミョン|樺|ファ(ミョンファ)/オカワダアキナ/村田活彦/Saé ARAKI/tomosumi/糸川乃衣/戦後生まれの68歳/山中澪/Hoku /とり/aoi わたしはスタンディングをしていて話したこと、考えたことなどを書いています。日記というかエッセイというか、ZINEを読んでいる方に弱音を打ち明けるような気持ちで書きました。 本の売り上げは、 ・パレスチナのことを話し続けるZINE ・まちうた 9月号 ・パレスチナドネーションZINEセット →売り上げ全額 ・庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五 ・さよなら犬たち、また来て猋風 などなど、オカワダの個人誌、オカワダ主催のアンソロジー →売り上げから印刷代を除いた金額 を寄付しています。 寄付先はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)やGofundmeを通じた個人寄付に充てる予定です。
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〈新装版〉よわよわおちんぽとじこめナイト
¥700
エロ・クィア・ラブ・面白をぜんぶ両立させた愉快なお話が書きたい〜〜!と思って書いたもの。 ぽっちゃり君が貞操具をつけて射精管理してもらう話です。 完売しておりましたが野郎フェス参加にあたり谷脇栗太さんによるスペシャルな装画で再版します。 電書版(ePubファイル)引き換え用クーポンコード付き。 『イサド住み』https://okwdznr.base.shop/items/69303797 を書いたとき、初めてトランスジェンダー男性のボーイズラブを読んだ、もっと探してみたいというお声をいただきすごく励まされました。 じゃあそこからもう一歩進んで、エンタメとかエロに極振りした愉快な話も書きたいな〜!と挑戦してみたものです。 早漏気味のぽっちゃりドMくん・S役に目覚めるFTMくん・既婚モテリーマン。 セックスの方向性はリバ、総当たり2人ずつと3Pです。 ウルトラハッピーでとびきりクィアなお話になったのではと思います。 『イサド住み』、『顔たち、犬たち』と同じ登場人物たちですが話はあんまりつながっていません。 (自分の言いたいことや伝えたい物語を、いろんな書き方で試しているというような感じです) 試し読み:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20788049 Kindle版:https://amzn.asia/d/hnicKBD
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顔たち、犬たち
¥1,200
よく聞けこれはおまえの話。おれの話。どっちでもいい。 ずるい男のずるい話。男性性の呪いについて。 家庭にも仕事にも不満はないが、ささやかな破滅願望を弄ぶようにこっそり男とセックスしている男。 年下セフレたちにやけに懐かれ、奇妙な友情を育んでゆき….。 性的なふれあいにより解放されるもの、いたわりあうこと。 装画:谷脇栗太 『イサド住み』https://okwdznr.base.shop/items/69303797 の優人さんムムくん今くんの話ですが主人公がちがうのでべつの話になった気がしています(あんまり続編にはなっていないです)。 二人称っぽい文章を書くのが自分的には挑戦でしたが、いろいろ発見もあって楽しかった。 B6カバー付き176ページ 10万字くらい 試し読み:https://drive.google.com/file/d/1pA17srE8i8T44p-x95h6TkdwxjNDvNaV/view?usp=sharing 画像2枚目は証明写真風のミニフライヤーです(おまけ)
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イサド住み
¥1,000
[本文より] おれは怖くてたまらない。おれにどうやら命みたいなものがあって生きているってこと、おれの体の隅から隅まで生き物で、心や記憶まであって、おれという生き物が死ぬまでずっと生きているってことが本当に怖いんだけどうまく言えない。怖い。べそべそ泣いている。おれの言いたいことわかるか。わかれよ。うまく言えなくてもわかってくれよ。あんたは怖くないのか。たまたますれちがった誰かの気まぐれな採点によりおれの発言の価値は決まってしまい、裁定はそうそう覆らない。おれは布団をかぶって絶望している。隠れている。おれの話は誰にも聞いてもらえない。 でも川と川が十字に交差しているところが好きだ。毎晩見に行く。十字の縦も横もとても静かで、川面に団地の明かりが揺れている。夜の運河は油膜を張っているみたいにとろりとして見える。流れているというよりあれはきっと震えている。実際、横軸の小名木川に流れはないようなものだ。隅田川と旧中川を結ぶ水路で、雨の後や風の強い日くらいしかはっきりした流れを見せないし、流れの向きもしばしば変わる。きっとここには始まりも終わりもない。 始まりも終わりもないけど階段がありエレベーターがある。扇橋閘門といって、二つの水門が並んでいる。閘門より東は海抜ゼロメートル地帯で、満潮時の海の高さよりも低い土地。川を遮断して水位を下げてあり、小名木川には段差がある。川底ではなく水面に作られた差。船が通るときは二つの水門の間に船を入れ、水位を上げ下げし、船は差を乗り越える。 夜の運河はにおいが濃い。潮のにおいとどぶのにおいが混ざって、三階のおれの部屋まで届く。水面にちらちら揺れる明かりは銀紙を丸めてまた広げたみたいな光で、夜の黒い水はそれらを飲み込もうとせず震えるだけ。水はとても静かだ。ねっとりと移動している。光もにおいも川の上にとどまっている。 トランス男性が主人公のボーイズラブです。 言いたいことが言葉になる前の、唸りと遠吠えの物語。闘いの物語です。 セフレのことが好きになっちゃったけど、セフレには既婚男性の"推し"がいて……。 イサドは宮沢賢治の『やまなし』に出てくる言葉で「もうねろねろ、あしたイサドへ連れて行かんぞ」のイサド。10万字くらい。 冒頭試し読み:https://oka-akina.tumblr.com/post/701066477234716672/ あとがきのようなもの:https://oka-akina.tumblr.com/post/701978022339903488/
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リチとの遭遇【新装版】
¥900
[本文より] こたつの天板をひっくり返すと麻雀のラシャだった。あの緑色が現れると夜だった。布端がちょっとほつれて毛羽立っていて、直行はいつも焦れったかった。剥がれかけたかさぶたを引っ掻くみたいに手が伸び、びーーっと引っ張りたくてたまらなかったが、あれは父とその友人、あるいは伯父たちが夜な夜なジャラジャラやるためのものだった。勝手に触ると叱られそうな気がしてがまんしていた。 母家の隣のプレハブ小屋だ。父たちはしょっちゅうそこに集まり、ときには半裸になって酒を飲んでいた。母や祖母はほとんど来ない部屋だった。酒とかつまみとかを運んで溢れた灰皿を交換する役目は直行だった。夏の小屋はかなり蒸すが、窓も扉も全開にして扇風機をまわしておくと夜風が涼しかった。 ぶおお……ぶおお……と風に乗って鳴き声が響く。あれは牛蛙だと祖父が言った。火を通すとささみみたいだがあまりうまくはない、ただし唐揚げにすれば鶏か蛙かわからない。直行は、六年生になったら授業でカエルの解剖をやる、一人一匹カエルを与えられて必ずお腹を割かねばならないと上級生からおどかされていたため、いつまでも響く鳴き声が怖かった。そうしたら祖父が励ますみたいに「鳴いているのはみんな雄だ」と教えてくれた。変な励ましだと思った。 セクシュアリティの試行錯誤とコンプレックス。 3万字くらいの短い小説です。 カバー(造形製作):えも 文庫版/72ページ 試し読み:https://oka-akina.tumblr.com/post/718189909441134592/ ※カバー付き新装版で再版しました。シールの貼ってあるカバーです。 中身は旧版と同じです。 (上記試し読みリンク先にある男の子の絵が3人並んでいる表紙です)
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ケンゼン薬局
¥1,100
SOLD OUT
クィアな女の子の話、人魚の話。孤独と希望の12編。 完売していた短編集やアンソロジー寄稿作などからピックアップした作品集。お気に入りのスナップ写真を束ねたみたいな一冊です。表題作のみ書き下ろし。 装画:えも 文庫版/172ページ [収録作] ・ヤスミン(2022.5 #ペーパーウェル「緑」) ・庫と庫と庫(2019.5 冷やしSFアンソロジー) ・tide(2022.1 白昼社『オートマニュアル vol.0』,2022.3 ウクライナへの人道支援のためのチャリティアンソロジー『青空と黄の麦畑』) ・棕櫚の姫(2019.9 Text-Revolutionアンソロジー「手紙」) ・退息所(2019.5 港町アンソロジー『PortRay』) ・川人魚(2019.9 アンソロジー『想像上の路地』) ・イビサの泡パーティー(2017.9 Text-Revolutionアンソロジー「祭り」) ・ケンゼン薬局(2024.1 書き下ろし) ・わたし役(2022.5 『掌編小説とエッセイのアンソロジー BALM』) ・竜舌(2023.1 青春アンソロジー『青の祝福』) ・昨日のかみさま(2017.4 #ヘキライ「昨日」) ・クラルテ(2022.5 『掌編小説とエッセイのアンソロジー BALM』) 「庫と庫と庫」は『バタ付きパン蝶』、 「棕櫚の姫」は『エトランゼ』、 「退息所」と「川人魚」は『百々と旅』、 「イビサの泡パーティー」と「昨日のかみさま」は『FLAT』に収録しています。 2024年2月にえもと一緒に展示をやりまして、コラボ的に作った本。初めましての方向けかなあと思います。
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人魚とオピネル(新装版)
¥800
SOLD OUT
[本文より] 京浜運河でうみへびを見たことがある。公園の浜辺に打ち上げられていた。干潮によりすがたをあらわす浜はねばつく泥で、散らばる貝殻の破片だけが白かった。きっとこのうみへびは、東京湾を徘徊するうちに運河に迷い込んでしまった。大井ふ頭中央海浜公園はだだっぴろく、ヒトだってしばしば迷子になる。あたしとうみへびは同じものだと思った。 団地の子ども会でバーベキューに来たときのことで、小学生の頃だから、つまり千年前だ。姉はすでに中学生で参加せず、母も仕事で来られなかったため肩身が狭かった。 バーベキュー場のそば、運河沿いの護岸はハゼつき磯と看板が立っており、おじさんたちが幾人も釣り糸を垂らしていた。磯のにおいと肉を焼く煙とが混ざり合い、風は湿ってまとわりつく。護岸沿いに運河をさかのぼると人工の干潟だけれど、柵があってヒトは奥まで入れない。サカナやトリやムシでなくてはならない。 ぬかるみを端まで歩いた。サンダルの足跡が歩数ぶん、律儀に残った。あたしは証拠を残して歩いているのだと思った。何をしていても誰かに見られている気がする。 運河はつねに波も流れもおとなしく、水面は寝ぼけている。わずかなゆらめきに灰色のからだが打ち上げられていた。にゅるっと伸びて、白いおなかが西日によって青や黄色にひかった。虹だ。しっぽはまるく絡まっていた。ずいぶんおおきいし長い。あたしの腕より長そうに見えた。こわかったのにみとれてしまった。じっと動かないが、まだ死んではいない。どうしてかそれがわかった。 学校に行かない中学生の女の子が出会った、でかい男と人魚のおじさん。 近所の火事騒ぎをきっかけに隣に越してきたでかい男・山田倫太郎略してリンダと仲良くなる。リンダはうみへびを飼っているという……? 太宰治賞二次通過作品。5万字くらい。 2017年に書いた作品です。新装版で久しぶりに再版しました。 カバー付き文庫・106ページ
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よわよわおちんぽとじこめナイト
¥600
SOLD OUT
ぽっちゃり君が貞操具をつけて射精管理してもらう話。 エロ・クィア・ラブ・面白をぜんぶ両立させた愉快なお話が書きたい〜〜!と思って書きました。 昨年『イサド住み』を書いたとき、初めてトランスジェンダー男性のボーイズラブを読んだ、もっと探してみたいというお声をいただきすごく励まされました。 じゃあそこからもう一歩進んで、エンタメとかエロに極振りした愉快な話も書きたいな〜!と挑戦してみたものです。 ウルトラハッピーでとびきりクィアなお話になったのではと思います。 早漏気味のぽっちゃりドMくん・S役に目覚めるFTMくん・既婚モテリーマン。 セックスの方向性はリバ。総当たり2人ずつと3Pです。 試し読み:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20788049
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ハッシャバイ
¥900
SOLD OUT
おれたちずっと、余計な話をしつづけよう。 元気で強くなくてだらしない、等身大のボーイミーツボーイです。 [あらすじ] 飲み会で知りあった美男子・よりくんに誘われ、ゲイの学生同士でサークルを作ることになったおれ。 よりくんいわく「友だちを作るサークル」で、みんなでランチしたりフットサルやったり映画を観たり、なあなあの仲良しグループって感じだが案外楽しくなってきた。そうしてよりくんとはとくに親しくなり、みんなには内緒だけど添い寝フレンド状態だ。 やがてよりくんには彼氏ができ、サークルに来なくなってしまい…。 試し読みはこちら https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16043767 新書サイズ/カバー付き/192ページ/約9万字 2021年9月刊行。在庫切れになっていたものを再版しました。
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エトランゼ
¥700
SOLD OUT
[本文より] そのコンクリートの塀を城壁と呼んでいた。広い広い敷地を囲って、高さもあり、壁の上には有刺鉄線が張り巡らされいかめしい。書道教室の行き帰りにいつも通る道で、城壁の作る影は湿っていた。苔が生え、蟻や蜘蛛が這っていた。蟻を目で追い、歩いていると、足元がぼこんぼこん鳴った。壁とはちがう色のコンクリートで蓋がされており暗渠だった。かつて川だったところにかけられた蓋で、ところどころ揺れる。城壁だなんて巨大に感じていたのはわたしが小さかったためだろう。 城壁の内側は二階建ての細長い建物で、庭が広いのでぽつんとして見える。クリーム色の壁がくすんでいた。そんなに豪華な建物ではないのでかえって城だった。余計な華美は避け、質素に屹立している。ほんとうの城はこうでなくっちゃと納得し、庭の芝生がかなり禿げていてそういう滅びの気配も城だと思った。(「棕梠の姫」) エトランゼ(étranger) 見知らぬ人、外国からやってきた人、異邦人。 子ども時代は引っ越しや転校が多く、自分はエトランゼなのだと言いきかせることによって自尊心を保とうとしていました。そのとき感じた疎外感やさみしさが、自分を読書と物語の世界に向かわせたように思います。 最近書いたものをまとめた小品集です。ネットプリントやweb企画、コピー本などの再録。 再版しました。初版とちょっと色味が変わりました。 2刷はフランス製本ではなくふつうのB6本です。
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百々と旅
¥600
SOLD OUT
[本文より] 彼女は灯台ではなく雨量観測塔だった。わたしは長いこと、彼女を灯台だと思っていた。母の写真で見ていただけだったので知らなかった。そうではないと知ったのは誰かのインスタグラムによってだった。 少し前からフォローしている灯台マニアのアカウントで、日本中の灯台を撮ってまわっており、ぽつぽつ数日おきに灯台の写真が流れてくるのが、なんだかよかった。プロフィールに「She is beautiful.」とあり、わたしは灯台が女であることを知った。ほっそりしているもの、ずんぐりしているもの、白い女、縞模様の女、タイル貼りの女……。彼女たちはみんな孤独に見えた。わたしはいつも眠る前、知らない誰かの収集した女たちを眺める。夢の中で彼女たちにハグする。夜風に吹かれたタイルの肌は、きっとひんやりしている。(「百々と旅」より) 灯台に憧れる女の子の話ほか7編の短編集。 2018~2019年のアンソロ寄稿作などをまとめました。
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おれはセックス依存症の(かわいい)ゴミクズ
¥200
SOLD OUT
オフパコで待ち合わせした相手がサークルの新入生だったけどしらばっくれてエッチする話。 大手ハメ撮りアカウントのバリウケ大学生くんが主人公で、ほぼセックスしてるだけの薄い本です。いわゆる♡喘ぎを含みます。 Kindle版も予定しています。 試し読み: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19585103 既刊『ハッシャバイ』のスピンオフです。 出てくるのはJaくんだけで、主人公たちは出てきません。 『ハッシャバイ』本文でJaくんが「おれがセックス依存症のゴミクズだって誰にも言わないでね」としゃべるシーンがあって、そこから膨らませたようなお話です。 彼が性依存症かどうかというと難しいところですが(本編にそこまで掘り下げた描写はない)、大学生のJaくんが自身の奔放さについてそのように言いたくなる…という話として書いています。
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ロングヘアー日記(仮)
¥300
SOLD OUT
日記のようなそうでもないようないろいろを書いたzine。 コピー本で紙はランダムです。 [本文より] わたしのような人間が髪を伸ばしているとどんな感じか。髪の長い生活について日記を書くことで、自分の属性と髪の関わり、髪が何を象徴するのか、そういうことを書けるんじゃないかなと思った。他人からの見え方とか。 でもじっさい書いてみると、当たり前だけどもいつも髪のことばかり考えているわけではなかった。属性のことも、性のこともそうだった。 いつも考えているわけではないということはいつもごく自然に考えている、意識せずまとっているということだと思うんだけど、これ伝わりますか? 伝わる人には伝わると思うんだけど。と言ってしまうと書くことをあきらめているようだ。そういうわけではない。そして、わたしはこういうものですっていうのをzineであってもハッキリ名乗るのは難しい。一方で、ぼかしておくのもなんだか思わせぶりなようで恥ずかしい。 小説にした方が早かったかもなと思った。これは小説ですよと宣言した方が書きやすいことがある。それならば、いつかわたしは「ロングヘアー日記」という題で小説を書くかもしれない。だからこのzineは(仮)。
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棚の中、頭の中
¥500
SOLD OUT
末埼鳩さん@matsusakihato と作った読書にまつわるzine。 好きな本や読んだときのエピソード、積読を交換してみる企画など。すごく正直な一冊になったように思います。 ラインナップ 鳩 「紙の動物園」 「旅をする木」 「大きな鳥たちにさらわれないよう」 「夢みる宝石」 「注文の多い料理店」 オ 「走れ、オヤジ殿」 「何も共有していない者たちの共同体」 「キルケ」 「灯台守の話」 「ディスタント」 積読交換 鳩→オ「マイ・ロスト・シティー」 オ→鳩「工場」
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終わりのある脱毛体験コース アンソロジー
¥800
SOLD OUT
「終わりのある脱毛体験コース」というDMが届いて、なんか小説のタイトルみたいだなあとツイートしたことから冗談のように始まったアンソロジー。 小説、エッセイ、随筆、体験記、イラスト。 [執筆者] 伊藤なむあひ 宮田秩早 えも サブロー 烏目 比良岡美紀 玄川透 鈴木レイヤ 泉由良 あめのにわ 鳴原あきら 添嶋譲 飛龍さつき 瀬戸千歳 オカワダアキナ 大滝のぐれ A5・100ページ [追記] 音楽系webマガジンmusitさんのオンラインストア・店舗でも取り扱いいただいております。 オンラインストア: https://store.musit.net/product/-/108?cp=true&sa=false&sbp=false&q=false&category_id=3 店舗: ヨムキクノム 東京都渋谷区神宮前2丁目20-10 小松ビル4F https://yomu-kiku-nomu.musit.net
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掌編小説とエッセイのアンソロジー BALM(赤盤)
¥1,100
SOLD OUT
掌編小説2編(ときどき3編)とエッセイ×46名のアンソロジー。 ステッカー付き。 書きたい人をツイッターで募った本です。 小説とエッセイを並べることで、作家の多面性や奥行きが覗けるのではという試み。 「BALM」(バーム)は軟膏、塗り薬のことで、自分で自分をケアするイメージで名付けました。 赤盤と青盤があります。 2冊同時にお申し込みの方には雑記(コピー本)がつきます。 https://okwdznr.base.shop/items/63512900 〈赤盤執筆者〉 伊藤なむあひ 赤澤玉奈 阿瀬みち 淡谷慈 あめのにわ 燐果 伴美砂都 望月柚花 凪野基 みたか 桐生りりり こい瀬伊音 遠藤ジョバンニ 比良岡美紀 たけぞう えるれ なつこ 与謝野安菜 かんの 笹良弥月 えも 緩洲えむ 瀬戸千歳 アンソロジーを読んでいて、この人の作品をもうちょっと読んでみたいなあと思うことがしばしばあります。一作だけではわからなかったけど、もっと読んだらもっと好きになれるかも、もっと理解が深まるかも、また、これを書いた人が普段どういうことを考えているのか話をきいてみたい……といった欲求です。 わかりたい、わかってほしい。言い間違えたら言い直す、言いたいことは何回も言う。そういう欲や姿勢を本の形にしようと思いました。
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掌編小説とエッセイのアンソロジー BALM(青盤)
¥1,100
SOLD OUT
掌編小説2編(ときどき3編)とエッセイ、46名のアンソロジー ステッカー付き。 書きたい人をツイッターで募った本です。 小説とエッセイを並べることで、作家の多面性や奥行きが覗けるのではという試み。 「BALM」(バーム)は軟膏、塗り薬のことで、自分で自分をケアするイメージで名付けました。 赤盤と青盤があります。 2冊同時にお申し込みの方には雑記(コピー本)がつきます。 https://okwdznr.base.shop/items/63512900 〈青盤執筆者〉 深澤うろこ 鈴木レイヤ 十佐間つくお 風呂 宮月中 飛由ユウヒ 眞崎十一 オカワダアキナ 玄川透 鳴原あきら ぴょん 紺堂カヤ 水谷なっぱ 滝みゅぅ 千梨 水城透子 ひざのうらはやお 灰澤なな 恣意セシル カナエ 磯崎愛 端島スウ 幅観月 アンソロジーを読んでいて、この人の作品をもうちょっと読んでみたいなあと思うことがしばしばあります。一作だけではわからなかったけど、もっと読んだらもっと好きになれるかも、もっと理解が深まるかも、また、これを書いた人が普段どういうことを考えているのか話をきいてみたい……といった欲求です。 わかりたい、わかってほしい。言い間違えたら言い直す、言いたいことは何回も言う。そういう欲や姿勢を本の形にしようと思いました。
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雑記(コピー本)
¥500
SOLD OUT
BALMの製作日誌…のつもりで作ろうとしていたんですが、あんまり関係ないことばかりかもしれません。 日記とか思い出話とか小説とかいろいろ雑多なつめあわせです。 リソグラフを使用しています(ので、ものによっては印刷にスレがあります)。 BALMを赤青同時にお求めいただくとおまけでおつけします。
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11/20文フリ新刊セット
¥1,600
SOLD OUT
11/20文学フリマ東京の新刊セットです。 ・「イサド住み」https://okwdznr.base.shop/items/69303797 ・「終わりのある脱毛体験コース アンソロジー」https://okwdznr.base.shop/items/69271923 の2冊。 アンソロが再版中ですので予約商品となります。 犬のシール付き(先着順、なくなり次第終了)。
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